導入事例

Case Study

事例:ロール機 カップリング取付不良

Summary

本事例では、インバータによる周波数変動が頻繁な低速回転のロール機に対してT-MCMA(電流情報量診断)を用いた状態監視を行いました。整備不良発生後の運転でパラメータ悪化を検知し、約1週間後に整備を実施した結果、機器状態の改善を確認しました。キー結合不良に起因するロール回転軸の振れやミスアライメントの可能性を早期に把握でき、劣化進行や品質悪化を未然に防ぐ運用に結びついています。

課題:低速かつ頻繁な変速により、従来診断では状態評価が難しい

対応:低速回転機に対しても有効なT-MCMAの適用と周波数変動を考慮した当社スタッフによる監視

効果:整備不良を早期に検知し、整備後に状態改善を確認。劣化進行と品質悪化を防止

機器名称ロール機
機器構造減速機
運転方式連続運転 インバータ駆動

導入の背景・課題

対象のロール機は低速回転で運転される設備であり、インバータ制御により周波数が常時変動しています。ロール機は製品品質に直結する設備である一方、運転条件が一定になりにくいため、状態監視の難易度が上がりやすいという課題がありました。

  • 振動診断では低速の回転設備の監視は難しい
  • 単純な数値のモニタリングでは評価ができない

そこで電流解析であるため低速回転設備にも有効なT-MCMAを利用して機器状態の管理を行うこととしました。またクラウドを通じた、当社の診断スタッフによる監視サービスを利用することで運転条件の変化を考慮したより正確な診断を期待していました。

効果

整備不良を早期に検知

対象機器について部品交換のためのユニット移動を実施後の運転で、ロールの回転周波数を監視するパラメータの悪化を確認。現場確認でカップリングの取付不良(キーがはまっておらず軸が固定されていなかった*)が判明。

*ユニット移動できるよう容易に脱着できるカップリング構造になっいる

劣化進行と製品品質の悪化を防止

異常検知が遅れていた場合、軸受摩耗などの機械的劣化が進行したり、ロール状態の悪化に伴って製品品質が低下したりする恐れがありました。

診断・解析の詳細

着目したパラメータ:①LX2(ロール回転周波数成分)
          ②LX3(ロール回転周波数の2倍成分)

診断パラメータの詳細はこちら

◇診断のポイント
 ロールやロールのモータのアライメント状態を監視するパラメータを設定、これによりロール回転軸の振れやミスアライメントが検知を行いました。

取付不良発生時の傾向管理グラフ

Lx2,Lx3の値が運転条件によりバラつきはあるものの全体的に上昇(悪化)していました。Lx2は当社推奨の判定基準値でも注意レベルを超過する状態でした。

これを受けて現場の機器を確認するとカップリングの取付不良が発生していました。これにより軸振れや芯ずれが発生していたと判断されます。

低速回転機器にも適用可能なT-MCMAの概要・適用範囲は製品ページでご確認ください。

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